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夕日の差込む部屋を描こうとしたはずなんですけど… …何か違うような気がするorz 私にしては珍しく、逆光っぽく塗ろうとしたんですが、まぁ何というか…慣れない事は するもんじゃない。 しかし、手の向きとか色々ツッコミどころ満載なあたりは、実にいつもどおりです。 (描けるように描いたら不自然になるという、わかりやすい例ですね!) 今回は更に珍しいことに、ネタにあわせて絵を描いたというパターンです。 頭に情景は浮かぶんですけどねぇ…形にするのは難しいです。 なので、脳内の映像をそのままPCに取り込む技術、誰か発明しないですかね? とりあえず↓に、脳内妄想を文章化したものを置いておきます。 イミフ展開な点は通常運転なので要注意。 |
懲りずに、脳内妄想垂れ流し文章を置いておきます。
今回は、未来世界での成長ちびうさ×プルート。ちびうさが成長して女王になり、歳をとって引退した後です。
内容は、相変わらずのバッドエンド仕様ですみません。
基本的に原作漫画前提ですが、部分的にアニメ設定が混ざっています。俺得な加減で好きな設定を勝手にチョイス。
そんな話でもOkな猛者は↓へスクロール。
─ 落 日 ─
王宮に参内するのは、今上陛下に第三王女が誕生して以来だろうか。
いくら監視装置が設置されて久しいとはいえ、私が時空の狭間を度々離れるのは、あまり好ましいことではないのだが、
今回ばかりは、陛下のたっての希望でもある。
「先王陛下は奥におられます。
今は小康状態ですが、あまり長くはお話されませんよう」
侍医の言葉に頷き、案内役の若い女官の後に続いて部屋に入る。
西日の差し込む部屋に足を踏み入れた瞬間、時が巻き戻ったような錯覚に襲われた。
…数十年、いや百数十年ぶりに訪れた部屋は、飾られた写真に至るまで、何一つ変わっていない。
「陛下、冥王星候が参られました」
女官に応えたのは、懐かしい声。
涼やかなメゾソプラノが、しんと静まりかえった部屋に響く。
「通してちょうだい。」
広い寝台に横たわっているのは、私が守り続けた
若い頃には薄紅色をしていた髪が、今ではすっかり銀色に変わり、目元に微かな皺が見える。
今の彼女は、記憶にある「かつての地球人の標準」で言えば、髪の色以外は40歳くらいの外見だろうか。
シルバーミレニアムの平均寿命はおよそ千歳。その上地球人よりも若い時代が長く、地球人であれば、まさかこの女性が死の床にあるとは思わないだろう。
しかし確実に、『老い』は彼女を蝕んでいた。
片手を挙げて女官を下がらせ、こちらに向けた視線に、最早かつての煌めきはない。
やや焦点の合わぬ瞳が、何かを探すように泳いでいるのが見え、私は、そっと彼女の手を取った。
「クイーン、お加減は…?」
紅玉の瞳が、ようやっと私の姿をみとめて微笑んだ。
歳をとるごとに、あの
「プルートは、変わらないのね。」
確かに、私は変わらない。
否、正しくは「変われない」のだ。
時空の扉の守護を任ぜられた時から、私の身体は時を止めている。
過去と未来に繋がる禁域を統括する者が不在になる事など、決してあってはならない。
故に、扉の衛人となった者は、人としての生を捨てることになる ─ それは、生きながらの死とも言えた。
「あのね、最後に一つ、聞いて欲しいことがあるの。」
彼女が不安げに眉根を寄せ、こんなにも思いつめた表情を見るのは、戴冠式の前日以来か。
即位してからの彼女は、常に凛と前を見続けたことを、私は知っている。
そして何より、彼女の生涯は幸福だったはずだ。
あの幼かった姫は、やがて成長して王位を継ぎ、伴侶を迎えて子を成した。
今では第一王女に譲位し、国の行く末を憂うこともない。
…なのに、何が彼女を不安にさせているのだろう?
「最後のお願いも、一生のお願いも、もう何度聞いたでしょうねぇ」
いつだって私は、貴女のお願いをきくしかなかったんですよ?
少しからかうように返すと、すぐに、あの幼い笑顔が戻ってきた。
「ねぇ、プー。」
それは幼い彼女が、甘えて私を呼んだ愛称。
彼女が玉座についてからは、ついぞ聞くことがなかった、彼女だけが私を呼ぶ名前。
「あたしね、プーが好きだった。」
知っていますよ。
私も貴女が大好きでした。
王宮で居場所を無くした貴女と、誰も訪れぬ王宮の奥殿で独りの私。
”寂しい者同士”という始まりでしたが、とても気が合った。
「違うの。
あたしはね、王位なんて欲しくなかった。
結婚なんてしたくなかった。ずっと、ただの『ちびうさ』でいたかった。」
……驚いた。
偉大なる母親、クリスタルトーキョーを築いた先代女王を目標とし、太陽系の、ひいては銀河の安寧に努めてきたのではなかったのか。
ネオ・クイーン・セレニティ2世の治世は 母である先代女王以上のものとなり、太陽系に未曾有の繁栄をもたらした。
賢王と讃えられ、惜しまれつつも譲位した今は、訪れる家族や友人に囲まれた穏やかな日々。
平凡な幸福とは遠いものの、少なくとも、悔やまれるような事など無かろうに…
そんな私の驚きが伝わったのか、彼女は、ふと目を伏せた。
長い睫毛が影を作り、表情が読みづらい。
「やっぱり……。
プーは、昔からそう。
あたしは、そんなにいい子じゃない。」
「………そんなことは」
「それに、ただの『ちびうさ』だったとしても、やっぱりダメだったかもしれない。
でもね、少なくとも、自分に正直でいられたんじゃないかな…って。」
ぽつりぽつりと漏れる言葉が、私の頭をますます混乱させる。
「あのね、あたしはずっと…」
傾く夕日は一段と赤みを増し、部屋を一面の茜に染め上げていく。
銀の髪も、頬も、唇も、全てが赤。
「ずっと、プーが欲しかった。」
わからない。
私はずっと、貴女に命を捧げてきた。変わることなく貴女に仕えてきた。私の全ては、貴女のもの。
一体、彼女は何を言っているのだろう?
「貴女と二人で、生きていきたかった。
一緒に暮らして、子供…は無理でも、一緒に年老いて、そんな当たり前の『恋人』になりたかった」
………
さぞかし、今の私は、間の抜けた顔をしているのだろう。
彼女は、溜息とともに苦笑いを浮かべていた。
「ごめんね。ずっと、言わないでおこうと思ってた。
でもね。言わないと、後悔で死に切れない気がしたの。」
確かに、彼女の寿命が尽きる時は、そう遠くない。
しかし願ってしまう。一日でも、その日が遠からんことを。
「まだ先の話ですよ、陛下。
体調が優れないから、弱気になっているんですね」
「そんな嘘、プーらしくないわよ。
それに今、ちょっと誤魔化そうとしてるでしょ。」
ぷくりと頬をふくらませる癖は、昔のまま。
変わらぬ幼い仕草が愛おしく、自然と口角が綻んだ。
「扉の守護なんて辞めさせて、時空の狭間から攫ってしまおうって、何度思ったかわからない。」
王でなければ ─ せめて只人であれば、そんな願いを持つことを許されただろうか?
「でもね、出来なかった。
そんなことをしたら嫌われないか、軽蔑されないかって怖かったし」
(そんなことは、ありえない。)
私が、このひとを嫌うなど、ある筈も無い。
言葉にしようと、握る手に力を込めた瞬間、紅い視線が重なった。
ひたと見つめられた刹那、鼓動が跳ね上がる。
…戴冠式の前日に見た、熱を孕んだ瞳がそこにあった。
「それにね、何よりも」
遠い日に飲み込まれた言葉が、今もなお色褪せぬままに鮮やかな想いを乗せ、時を越えて紡がれていく。
「使命に誇りを持っている貴女が、好きだったから。」
すう、と瞳が閉じられ、あの日の炎が遠ざかる。
微かに握り返された手に口付けて、私は小さく嘆息した。
まったく。言いたい事だけ言って、さっさと眠ってしまうとは。
貴女はいつも、私を振り回してばかり。
気付けば、部屋を茜に染め上げていた夕日は沈みきり、代わりに銀の光が部屋を照らしている。
─だからこれは、夜毎姿を変える月の下の戯言。
「
瞼を閉じた彼女の耳元に、そっと囁いた。
「では、私の内緒話も一つ。」
…私も、貴女と同じ意味で、貴女が好きでした。
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